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コンテンツの海外ビジネス、海外コンテンツ企業を中心に取り上げます。

第13回上海CCG EXPO視察レポ(画像多数につき通信量にご注意を)

7/6〜7/10の間上海で開催されていたアニメ・マンガ・ゲームの博覧会「CCG EXPO」を見てきた。

目的は中国コンテンツ企業の最新動向、生の情報をキャッチするため。

本稿ではまず、1.で中国コンテンツ産業と企業動向を概説し、次に2.で実際のCCG EXPOの様子と各企業ブースを紹介する。

 

(当ブログを引用する際は出典の明記をお願い致します。お問合せはコメントか Twitter @dongmanshangye まで。)

 

1.中国のコンテンツ産業と企業

 

中国は2010年以降、コンテンツ産業が急速な拡大を遂げている。

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図1(2010年~2015年アニメ・マンガ産業規模、出典:『中国动漫产业发展报告2016』,277頁)

 

2010年に470.84億元だったアニメ・マンガ産業市場は、2015年までに1131.58億元にまで拡大している(図1)。

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図2(中国ゲーム市場売上高、出典:『2016年中国游戏产业报告(摘要版)』11頁)

 

また、ゲーム市場についても2008年の185.6億元から1655.7億元(2015年)に達した(図2)。

市場の成熟に伴い成長率は年々鈍化してきているが、日本の市場規模と比肩、またはそれを超えるまでに拡大している。

 

同時に、中国コンテンツ企業の成長もまた著しい。現在、コンテンツのなかではスマホゲームの成長が先行している。

図3(Announcing the Top 52 Publishers of 2016、出典:

https://www.appannie.com/en/insights/app-annie-news/app-annie-52-top-app-publishers-2016/

2016年のスマホアプリの年間売り上げでは、1位にテンセント〔腾讯〕、3位にはネットイーズ〔网易〕がランクインし、そのほかパーフェクトワールド〔完美世界〕、ハッピーエレメンツ〔乐元素〕等も上位52企業のなかに含まれている(図3)。

 

中国国内企業のコンテンツは質が悪く、高い収益性を確保できるのは日本や欧米からライセンスインしたIPもの、というのはすでに過去のこと。

現在も海外IPのライセンスインは盛んに行われている一方で、国内外で稼ぐことのできる国産IPも次々と生み出されている。また、コンテンツ開発のための投資も積極的だ。

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図4(2016年TOP10モバイルゲーム収入モニタリング、出典:『2016年移动游戏产业报告』3頁)

 2016年のモバイルゲーム(=スマホゲー)売り上げTOP10では、『NARUTO』を除き、すべて中国国産(図4)。

(『梦幻西游』、出典:《梦幻西游》手游官网-人人都玩 不玩才怪

「王者荣耀」の画像検索結果

(『王者荣耀』、出典:王者荣耀官方网站-腾讯游戏

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図5(2016年中国ゲーム企業モバイルゲームR&Bランキング、出典:『2016年移动游戏产业报告』6頁)

売り上げ最上位に位置するゲーム会社はコンテンツのR&Dにも熱心だ(図5)。

 

ここで、海外IPのライセンスインについてもう少し補足したい。

海外キラーコンテンツのライセンスインによってレベニューシェアで儲けたい、と考える中国企業は当然存在するが、ライセンスインは中国側の一方的なオファーとは限らない。というのも、中国にはコンテンツの非関税障壁が立ちはだかっているからだ。

国内産業保護等様々な理由で、中国国内で外国企業(又は51%以上出資の現地法人)が直接コンテンツをパブリッシュすることは不可能。海外企業が自ら中国展開したいと思っても現地企業を通さざるを得ない事情があるのだ。

(根拠法:出版管理条例、互联网信息服务管理办法、互联网出版管理暂行规定、网络出版服务管理规定、网络游戏管理暂行办法、互联网文化管理暂行规定ほか)

そうした背景から、海外企業が中国でコンテンツをパブリッシュする際は例外なく現地パートナーとパブリッシング契約を結んでいる。

例えば、

『Fate/Grand Order』ならBilibili、『刀剣乱舞』なら游族といったふうだ。

fgo.biligame.com

touken.youzu.com

 

2. CCG EXPOレポート

 

1.で情報を盛り込みすぎてしまったが、ここから本題の第13回CCG EXPOの模様をお伝えする。

(CCG EXPOの様子の写真はすべて筆者撮影)

まずは会場、規模感は東京ビッグサイトくらいを想像してほしい。昼過ぎに行ったため会場前は混雑しておらず、すでに帰路に就く人たちも多かった。

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CCG EXPOのマスコットキャラクターは日本のイラストレーターTony氏が2015年から毎年手掛けている。

 

チケットはこんな感じ。平日開催日の入場料はたしか70~80元だったが、休日は110元とやや高めに設定されている。ろくに事前準備もせずに行ったのでチケットはダフ屋から購入した。

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いざ入場すると、まず習近平国家主席が提唱する経済圏構想「一帯一路」の理念が。たしかに、特に近年アニメ・ゲーム分野において日中合作が急増している。

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それでは次に各中国企業ブースの様子を紹介する。会場全ての企業はとても追える数ではなかったので特に大きいブースに絞った。

(1)チャイナ・リーディング〔阅文集团〕

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チャイナ・リーディングは、2015年に腾讯文学と盛大文学が合併して成立した。世界最大の中国語電子図書館とも評され、グループとして、起点中文网をはじめ多数の文学ブランドを擁している。

現在までに日本でも放送されている中国原作アニメに一枚噛んでおり、 また、今年に入って中国国内で人気を博したアニメ『マスターオブスキル〔全职高手〕』の製作出資企業でもある。同作はもともとネット小説であり起点中文网にて連載されていた。

ちなみにアニメの制作会社は中国重慶の视美精典で、作画クオリティがめちゃくちゃ高い。中国の京アニといっても過言ではない。

v.qq.com

 

(2)ネットイーズ〔网易〕

ネットイーズの事業領域はゲーム、オンラインミュージック、ポータルサイト、オンライン教育などテンセントと同様に幅広い。2016年の純利益は381.79億元(54.99億USドル)。日本では『陰陽師』で名前が広く知られるようになったと思う、『陰陽師』は世界的にヒットしている。

game.people.com.cn

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(3)绘梦

2016年から日本でも徐々に知られ始めたであろうアニメ製作・制作会社。もともと上海に会社を置き、2015年に日本法人を設立した。

2017年夏クールアニメでは、製作・制作を手掛ける『セントールの悩み』、『縁結びの妖狐ちゃん』が放送されている。

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『縁結びの妖狐ちゃん〔狐妖小红娘〕』のキャラのコスプレイヤー。 

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(4)テンセント動漫〔腾讯动漫〕、テンセントビデオ〔腾讯视频〕

テンセント動漫はテンセントが展開する中国最大のネットマンガプラットフォーム。海外のマンガIPライセンシーでもあり国産IPホルダーでもある。テンセントビデオは同じくテンセントが展開する動画配信プラットフォーム。

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アニメ化が決まって暫く続報が無かった『枪娘!FIRE』だが、8月からテンセントビデオで独占配信する模様。

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テンセントのマスコットキャラクター『ペンギン娘〔企鹅娘〕』のコスプレ。かわいい。

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(5) Bilibili

言わずと知れた中国版ニコニコ動画。動画配信企業でもありアニメ・ゲーム配信権代理企業でもありゲームパブリッシャーでもあり。

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『Fate/Grand Order』の現地ディストリビューターなので。

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ビリビリパブリッシュのスマホゲー『アズールレーン〔碧蓝航线〕』、今夏日本でも配信予定。かなり期待しているところ。

 

(6)ジャイアントインタラクティブ〔巨人网络〕

ジャイアントインタラクティブはゲーム開発・運営会社、スマホゲーはパブリッシャーでもある。2016年の売上高は23.2億元。そのうちスマホゲーが約41%を占める。

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(7)北京白骑士网络科技有限公司

スマホゲー『魔卡领域(英語名:land of caromag)』をパブリッシュする予定で現在事前登録受付中。初めて知った企業。

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日本風ファンタジーもので、日本の声優も多数起用されている。イラストレーターも日中韓三カ国から起用しているそう。

 

f:id:zhicai_dongman:20170714015156p:plain北京白骑士网络科技有限公司

www.caromag.cn

 

(8)ハッピーエレメンツ〔乐元素〕

今まで紹介したなかで一番知られてるんじゃなかろうか、『あんさんぶるスターズ!』の会社。

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(9)メディアリンクアニメーションインターナショナル〔羚邦动画国际〕

香港のライセンスエージェント企業。拠点は香港のほか上海、北京、台湾、シンガポールなど。知名度はともかく多くの作品のエージェントになっている。

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今年5月頭に『銀魂』実写版が中国上映されることが明らかになった。どうやらメディアリンクが一枚噛んでいる模様。优酷の文字もあるため、『君の名は。』のように映画上映後にプラットフォームで独占配信かな。

一部では8月に上映という情報が流れているが、日本での上映が7月なのであまりに早すぎる。『君の名は。』も異例のスピードといっても3カ月後だったのに。

輸入審査担当企業、广电总局との間のやり取りを超早期から取り組んでいたのか(審査の都合で超早期は考えにくいが)、分账片の可能性があるのか、フェイク情報か。

 

(10)ミューズコミュニケーション〔木棉花国际〕

台湾のライセンスエージェント企業。香港、上海にも会社を置いている。

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量が多いのでとりあえずここでストップ。後から下記内容追記します。

 


盛大游戏
漫画岛
翻翻动漫
曼迪
艾漫

 

日本企業・ブース紹介

 

バンダイ
テレ東
アニプレ
寿屋
グッスマ
メガハウス
DeNA