『アズールレーン』の勢いがとどまるところを知らない今日この頃。
公式によると、登録ユーザー数は早くも200万人を突破し、さらに、iOS,Google playストアともにセールスランキングは一ケタ台にまで上り詰めています。
つい先程、登録者数が200万人突破しました!
— アズールレーン公式 (@azurlane_staff) 2017年10月17日
指揮官のみなさん!早い、早いですよ!
後日配布:
【燃料×2000 海軍カレー×5 攻撃教科書T3×1 防御教科書T3×1 支援教科書T3×1】
これからも、「アズールレーン」をよろしくお願いいたします!#アズールレーン pic.twitter.com/JEyUIxe3Ni
(出典:http://applion.jp/,10/29時点)
瞬く間にメガヒットとなった『アズールレーン』に限らず、昨年以降、中国のスマホゲームが日本におけるセールスランキングで上位に食い込むことは珍しくなくなりました。
さきほどもセルランを眺めながら思いました、「あれ?中国発のスマホゲーめっちゃランクインしてね?」と。
そこで今回は、中国のスマホゲームについて、各種データに基づいてみていこうと思います。
2016年のアプリ世界収益トップパブリッシャー52で中国企業は11社がランクイン
アプリ調査会社のApp Annieは、通年でのアプリ収益額における世界トップ52社を2011年から毎年公表しており、昨年は合計11社の中国企業がラインインしました。
1位・・・テンセント(腾讯)
3位・・・ネットイース(网易)
15位・・・エレックス(智明星通)
27位・・・アイゴットゲームス(IGG)
28位・・・パーフェクトワールド(完美世界)
33位・・・ハッピーエレメンツ(乐元素)
34位・・・スネイルゲームス(蜗牛)
37位・・・バイドゥ(百度)
47位・・・G-bits(吉比特)
49位・・・クンルン(昆仑)
50位・・・ロングテックネットワーク(龙创悦动)
https://www.appannie.com/jp/insights/customer-stories/jp-top-publisher-2016/
直近三年のランキングを見ると、7社(2014年)⇒9社(2015年)⇒11社(2016年)というように、トップ52に入る中国企業の数は年々増えています。
中国の資料からも、数字として如実に表れていることがみて取れます。
2013年以降、中国のスマホゲームは海外でも大きく売上を伸ばすようになりました。
(出典:『2016年中国游戏产业报告』p68)
また、海外での売上分布をみると、なにも日本だけでなく欧米地域でも稼いでいることが分かります。下図の通り、2017年上期では海外のうちアメリカで最も収益をあげています。その次が日本ですね。
(出典:游戏产业网)
2017年上期は、2016年下期比でアメリカ、フランス、カナダ、イギリス、ドイツ、日本の順で海外収益を伸ばしています。
(出典:游戏产业网)
海外子会社を設立して積極的に海外展開を図っていることも窺えます。
(出典:游戏产业网)
将来予測では、来年以降もモバイルゲームの海外売上を伸ばしていく模様です。
(出典:『中国游企版图 2017Q1 研究报告』p6)
中国のスマホゲームは"走出去"から"融进去"の段階に入った
こうしてみると、『アズールレーン』は偶然ヒットしたのではなく、中国のスマホゲーム自体が、海外でもユーザーの心を掴み収益をあげるだけの力を急速に獲得しているのだと思います。テンセントのsupercell買収のように、M&Aの寄与部分も多かれ少なかれあるでしょうが。
また、中国のスマホゲーム企業が海外進出する背景には、中国市場で双璧をなすテンセントとネットイースがあまりにも強すぎて市場のパイを大きく奪われてしまっていることも影響しています。
研究開発投資においても二社は圧倒的です。
(出典:『2016年移动游戏产业报告』p6)
わずか数年の間で、中国のスマホゲーム企業は、ただ海外進出に打って出る(走出去)だけでなく、巨額の研究開発投資によって技術力を高め、海外で受け入れられる程に国・地域・ユーザー属性等に合わせて上手にローカライズ、カルチャライズする(融进去)ことができるようになったのだと思います。「これ中国のスマホゲームだったのか・・・!」とユーザーが後から言われて初めて気付くほどに。
日本企業も当然海外進出は散々行っていますし、海外勢に日本での売上が奪われるとしても仕方ないですね、そこは市場競争なので。
今日はここまで。
ツイッター @dongmanshangye